インポーターが惚れ込んだ、シンガニの秘密
南米ボリビアのアンデス山脈で作られる「シンガニ」。
マスカット・オブ・アレキサンドリアの香りをそのまま液化したようなこのスピリッツ。
いま世界のバーテンダー達からも注目を浴びるこのお酒の秘密を、少しだけご紹介させてください。
グラッパやピスコとはどう違うのか?
現地の規定を見ると以下のような違いがあります。
- グラッパ:ワイン醸造後の「ブドウの搾りかす(ポマース)」を蒸留したもの。
- ピスコ:ブドウ果汁を蒸留しますが、複数の品種の使用が認められています。
- シンガニ:特定の標高で栽培された「マスカット・オブ・アレキサンドリア」のみを使用し、特定の地域で蒸留・瓶詰めされたものだけが名乗れる、厳格な原産地呼称(DO)を持っている。
標高2,000mの「低圧・低沸点蒸留」が生むクリアなアロマ

現地の製法で最も驚くのが、標高2,000mを超える環境で作られている点です。
気圧が低いため水の沸点も約93度まで下がり、低い温度で蒸留を行うことができます。これが、マスカットの華やかな香りを焦がさず、雑味のないクリアな液体に閉じ込めることができる理由のひとつと言われています。
■ 過酷なテロワールが鍛えた「香りの鎧」

シンガニの圧倒的な香りは、アンデスの過酷な環境が育んでいるそうです。
紫外線:空気が薄く強烈な紫外線が降り注ぐため、実を守るべくマスカットは皮を厚くし、そこに香気成分(テルペン)を凝縮させます。
寒暖差:昼夜の激しい寒暖差がブドウにストレスを与え、芳醇な香りをさらに蓄積させます。
水質:石灰質を通るミネラル豊富な硬水(カルシウム)が細胞壁を強化し、香りを溜め込む分厚い皮を作ると言われています。
カクテルベースとしてのポテンシャル
この分厚い皮のおかげで香気成分の絶対量が多くなるため、トニックウォーターの苦味やハーブ等の副材料と合わせても、マスカットの香りがしっかり伸びてくれると感じています。
複雑なカクテルも素晴らしいですが、まずは「シンガニ・ソニック」で試していただくと、そのポテンシャルを感じていただきやすいのではないでしょうか。
カウンターでのご提案のヒント
シンガニは、カウンターでのご提案にも非常に使いやすいスピリッツだと考えています。
「飲むアロマテラピー」として:テルペン類のリラックス効果を活かし、多忙なお客様へ「脳のスイッチを切り替える一杯」として。
「クリアな酔い心地」:糖質・プリン体ゼロで、オーク樽熟成を行わないピュアなスピリッツのため、翌日に残りにくいお酒を探している方へ。
グラスの中に広がるアンデスの空気。プロの皆様の技術とフィルターを通して、この新しい体験をお客様へ届けていただけたら、インポーターとしてこれ以上の喜びはありません。
